おいでなせえ小川町 埼玉県比企郡小川町

小川町駅から徒歩3分の場所にある「おいでなせえ小川町駅前店」は、株式会社おいでなせえが運営する民間の観光案内施設です。今回は、共同経営者の一人である五十嵐康博さんに、まちづくりへの思いなどについてお話を伺いました。

株式会社おいでなせえ
埼玉県小川町を中心に活動する観光まちづくり会社。
「地域の魅力を世界へ!」を合言葉に、以下の活動を行なっています。
●ブログ、SNS、動画等での地域の魅力発信
●サイクリングイベント、鬼瓦制作ワークショップなど、着地型体験ツアー/体験プログラムの運営
●地酒や和紙製品などの地産品販売、和紙の原料の楮(こうぞ)を活用した食品や御城印などの新たな地産品開発・販売
●旧上野台中学校「まちのキャンパスUECHU」の運営

長倉正弥

よろしくお願いします。

五十嵐康博さん

よろしくお願いします。

五十嵐康博さん

株式会社おいでなせえ 会長 五十嵐康博さん
観光業に20年以上携わり、その経験を活かした地域貢献を目指して、ビジネスパートナーとともに「株式会社おいでなせえ」を設立。小川町の豊かな自然資源を活かした地域活性化に取り組む。
2019年に小川町議会議員に立候補し、現在2期目を務める。観光をテーマとした持続可能なまちづくり、「観光まちづくり」の実現に向けて精力的に活動している。

目次

観光まちづくりへの思い

「観光まちづくり」への思いを教えてください。

旅行業といえば、切符を販売したり宿を手配したりといったイメージを持つ人が多いかもしれません。でも、「観光」はもっと社会的に面白く、可能性に満ちたものだと考えています。

これまでの経験を振り返ると、東日本大震災の災害ボランティア活動やオーガニックフェスなど、さまざまな出来事を通じて感じているのが、観光というのは個人の発想や努力が周囲を巻き込み、より大きな力を生み出せるものだということ。それこそが観光の面白さであり、最大の強みだと思っています。

自分たちが楽しみながら地域と関わり、やり続けられる仕組みを作れたら面白いなと考えています。それぞれが小さなことをコツコツと積み重ね、試行錯誤しながら続けてきた結果が、今の会社につながっている。そして、それをどう継続していくのか、活動のための時間をどう確保するのか、そんなことを常に考えながら進んでいます。

ただ自分たちだけでは成り立たない。それが「観光まちづくり」です。最終的にこれが生業として成り立つのが理想ですが、それは結果としてついてくるもの。まずは、しっかりと基盤を整え、仕組みを作ることが何よりも大切だと考えています。

人が訪れることで地域に貢献できる仕組みを作らなければ、観光を活かしたとは言えないし、社会的な価値も生まれない。観光の社会的な地位を向上させるためにも、根本的な部分をしっかりと考え、地域の中で議論を重ねながら、そのあるべき姿を形にしていく必要があります。

その上で、人が訪れることが地域の課題解決につながり、地域にとってプラスとなる仕組みを生み出す。それこそが、私が考えている「観光まちづくり」です。

おいでなせえ小川町で企画したサイクリングイベントの様子

今の五十嵐さんの話を聞いていると、目線が半分公的というか、インフラ作りに近いような、町がうまく回っていくための仕組みだったり、場を提供していくってそんな風に聞こえますね。

このような取り組みは、一見すると単発的な活動のように思われがちで、伝えにくい部分もあります。そのため、継続して実施する人が少ないのだと感じています。

収益がすぐに得られるわけではなく、継続できるかどうかも不確かです。しかし、もしこの取り組みが形になり、都心にはない新たな仕事として確立することができれば、地域に新たな働く場所を提供することにつながります。それこそが、この取り組みが持つ大きな可能性だと考えています。そして、さまざまな人が何かに挑戦したいとき、支え合える仕組みを作ることができれば、地域に人を集められる可能性が広がります。

こうした取り組みは、「一緒にやればできるかもしれない」という感覚から自然と結びついていきます。そうなれば、若い人たちが東京で仕事を目指す流れを変えるきっかけにもなり得るでしょう。自分たちの得意な分野で、そういった変化を実現できたら素晴らしいと思っています。

おいでなせえ小川町がやっていること

実際今具体的においでなせえで走らせている事業ってどんな感じなんですか。

一つは、楮(こうぞ)を地域食材として活かすことができたら面白いと考えています。楮は和紙の原料としてよく知られていますが、和紙の需要減少など伴い、日本では生産量が激減しています。そこで、現在のライフスタイルに合わせた「食」という新しい分野で活用できれば、楮の付加価値を高め、さらに和紙に繋がる新たな機会を生み出せると考えています。現在、弊社では「楮寿園(こうじゅえん)」というブランドを立ち上げ、埼玉県新商品AWARD 2024にも入賞することができました。10年後、20年後に、地域の人々が「それって面白いよねとか、いつ始まったの?」など、当たり前のように受け入れられる状況ができれば、それはとても素晴らしいことだと思います。

これこそが観光まちづくりの核心であり、私自身がワクワクしながら取り組んでいる部分でもあります。今後も、物販と体験を融合させることで、五感で楽しんでもらいながら、地域や商品に愛着を持っていただけるような仕組みを増やしていきたいと考えています。

逆転の発想でまちづくりを楽しむ

小川町って消滅可能性自治体とか言われているじゃないですか。それに対してどう思っているかと、それに対して打つ手とか、お考えがあったりしますか?

あまり重くは受け止めていません。私たちがこの活動を始めた時から、すでにそう言われていたことですし、むしろその状況を逆手に取り、みんなで変えていけたら面白いと思っています。そういう逆転の発想でしか捉えていないですね。

そう言われているからこそ、さまざまな人たちが自分たちの力を活かし、この課題を解決したいと集まってくる。そんな人たちと一緒にチャレンジできる場を作り、それが地域の活性化につながっていけばいいなと考えています。

比企出しへのメッセージ

最後に比企出しへのメッセージをお願いします。

五十嵐康博さん

町の中で横断的な活動を継続できる人は意外と限られていると思います。理念を掲げることは大切ですが、その活動を持続させるためには単なる根性論だけでは足りません。弊社もいまだ未熟で、足元が定まらないこともありますが、共に支えてくれる仲間たちがいるからこそ活動を続けることができています。

まさやん(長倉のこと)は、盆の市実行委員会(2018年から2年間、小川町で地域のお祭りを開催した活動)を通じて一緒に活動した仲間の一人です。お互いにできることで火を灯し、育て、広げていくことで楽しいことが広がり、町に元気を取り戻すと信じています。互いにできる力を合わせて頑張りましょう。

長倉正弥

ありがとうございます。

株式会社おいでなせえのWebサイトはこちら↓
https://oidenasay.co.jp/

小川町および埼玉県比企郡の観光・体験イベント予約サイトはこちら↓
https://ogakuru.jp/

まちの観光ステーション『おいでなせえ 小川町駅前店』のWebサイトはこちら↓
https://ogakuru.jp/facility/oidenasay

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この記事を書いた人

長倉正弥のアバター 長倉正弥 代表社員(社長)

比企出し合同会社 代表。
エコデザイン株式会社の創業メンバーとして20年以上経営に携わる中、地元の商工会青年部・青年会議所などの活動を通して地域おこしの重要さを知る。
2021年5月に比企出し合同会社を起業。比企地域を輝かせるために全力活動中。

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